【お金の終活】贈与として資産を残すための節税対策を考える

資産を残すために節税対策として行えることとして、「使う」「他のものに変える」「あげる」という3つの方法があります。

お金を「使う」と当然ですが、お金は減ってしまします。旅行や食事等は、大切な経験や思い出にはなりますが、財産的な価値としては残りません。つまりお金は外に出て行ってしまい、財産自体が目減りしてしまいます。

また、節税対策として「他のものに変える」ということは、価値の低いものに変えることを意味します。3,000万円の預金を使って、3,000万円の建物を建築することで、相続税上の評価額が下がりますが、これは財産的な価値が下がっていると判断されるからです。

具体的にイメージしてみましょう。通常、特別な事情がなければ3,000万円で購入した建物を3,000万円で売ることは不可能です。つまりこの方法の節税でも、財産の価値が目減りして、その結果として相続税が下がるということになります。

しかし、「あげる」だけは、少し性質が異なります。「あげる」方法は家族単位で見たときに、財産のボリュームを減らすことなく行うことができるという点です。これは、家族の中にお金を残すことが可能です。もちろん、あなた1人の財産として見ると、財産は減ることになるので、相続税は減ることになります。しかし、あげたお金は家族として見た時は外に出ていたのではなく、あなたの家族のもとに渡ることになり、家族単位で見たときにお金を減らさずにできる唯一の節税方法ということができます。

相続税を減らす3つの方法については、こちらをご覧ください。
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【終活】資産を守るために知っておきたい3つのお金の活用法とは?

贈与税の基本と注意点

家庭内に財産を残しつつできる節税方法が「あげる」という形になりますが、多額の贈与税がかかるようでは、もらった方も困ってしまいます。まずは、贈与税の基本と注意点について知っておきましょう。

贈与税は通常、同じ額の財産を相続で渡すよりも税金が高くなります。それは、相続税の基礎控除額が多額であり、贈与税にはこれほど高額な控除がないからです。贈与税は、贈与で財産もらった人に対してかかる税金です。

贈与税の計算方法は、ある人が1年間に贈与でもらった財産の総額から110万円という決まった金額を引いて、引いて後の金額を税率表に当てはめて税額を計算します。贈与を受けた金額から110万円を引いた結果、金額が残らなければ贈与税は発生せず、申告自体も不要となります。これが年110万円以下の贈与は非課税ということになります。

国税庁のホームページでは、贈与税の計算方法について下記のように記載されています。

贈与税の計算は、まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。続いて、その合計額から基礎控除額110万円を差し引きます。

次に、その残りの金額に税率を乗じて税額を計算します。ここでは計算に便利な速算表を掲載します。速算表の利用に当たっては基礎控除額の110万円を差し引いた後の金額を当てはめて計算してください。それにより贈与税額が分かります。

出所:贈与税の計算と税率(暦年課税)国税庁

平成27年以降の贈与税の税率は、「一般贈与財産」と「特例贈与財産」に区分されています。

一般贈与財産用(一般税率)

この速算表は、「特例贈与財産用」に該当しない場合の贈与税の計算に使用します。例えば、兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに使用します。


出所:贈与税の計算と税率(暦年課税)国税庁

特例贈与財産用(特例税率)

この速算表は、直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)※への贈与税の計算に使用します。「その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)」とは、贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上の直系卑属のことをいいます。例えば、祖父から孫への贈与、父から子への贈与などに使用します。

出所:贈与税の計算と税率(暦年課税)国税庁

生前贈与の特例についてこちらをご覧ください。
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【終活】知らないと損する生前贈与の活用方法~特例のメリット・デメリット~

贈与税の計算方法の例

例えば、同じ年内に父から100万円、母からも100万円の贈与を受けた場合には、各贈与が110万円以下だから贈与税がかからないというわけではありません。この場合には、父からの100万円と母からの100万円で計200万円の贈与を受けたことになり、200万円から110万円を控除した90万円を税率表に当てはめて計算することになります。

一方、贈与する側からすると、何人に対して贈与しても110万円の枠が使えます。例えば、子供3人、孫5人に対して110万円ずつ贈与した場合、贈与を受けた子供や孫がその機関中に他の贈与により財産を受け取っていないのであれば、それぞれが110万円の枠を使えることになります。

また、この110万円は年毎に使える控除枠です。そのため毎年110万円ずつ贈与していくことを考える人も少なくありません。実際にその年毎に贈与することを決め、贈与をしているのであれば、贈与税は非課税になります。

しかし、もともとトータルで1,100万円の贈与をする予定で、それを単に10年かけて分割払いしているだけであると税務署側に判断されれば、初年度に1,100万円を贈与したとして、全額に対して贈与税が課税されてしまいます。これが、贈与税の基本となります。

生前贈与についてこちらをご覧ください。
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【終活】家族を幸せにするお金の残し方~生前贈与と相続を考える~

まとめ

贈与は、財産を渡したい相手に確実にお金を渡す方法であり、お金の終活をする中で大きな選択肢の1つとなります。しかし、贈与をする上では、贈与税の問題は切り離せません。そのため贈与税の制度の基本を知った上で正しく活用することが大切です。

もし、現在行っている贈与の方法に問題がないか、また問題なく贈与するにはどうすれば良いかといった疑問があるときには、相続税や贈与税に詳しい税理士に相談しましょう。