解体後の土地活用、トランクルームや太陽光発電編

住宅や農地や駐車場など、どのような用途でも使われておらず有効活用されていないような土地のことを遊休地といいます。このような遊休地は、土地の活用はしていないので収入がありませんが、土地を所有していることによる固定資産税が発生します。

解体工事後の土地活用
解体工事で更地にしたあと、土地をどのように活用できるのを見てきました。先回は、解体工事で建物を解体した後に、解体工事後の土地をどのように活用できるのかを賃貸住宅の経営から考えました。今回は、トランクルームや太陽光発電について考えてみたいと思います。

土地活用の事例 トランクルームの設置

最近はトランクルームを、住宅街や街中で見かけるようになりました。断捨離という言葉も浸透してきていますが、なかなか捨てられないという方も多いと思います。片付かない荷物や持ち物を預けるのに最適なトランクルームの活用が、土地活用の一つとして注目されています。

今まで、ファミリー向けマンション近くの土地活用といえば、駐車場として活用されることが多くありました。しかし、最近ではマンションに駐車場が併設されていたり、そもそも車を持たない地域も増えてきています。また、防犯意識やセキュリティに対する認識も高くなっており、マンションから距離があったり、防犯対策がおろそかになっている駐車場の人気はなくなりつつあります。このような状況からトランクルームは土地活用として選択されています。
土地活用トランクルーム

トランクルームのメリット

初期投資が少ない

基本的には更地にコンテナなどを置くだけなので、初期投資が比較的少なく、開業しやすいという理由があります。しかし、メンテナンスは必要になりますので、その分のコストは見込んでおくことが大切です。

また、トランクルームに使うコンテナボックスは、内外装の一部補修を除いて耐用年数約30年の高耐久設計になっているので、不動産のように定期的な改修・リニューアル工事は必要がなく、改修頻度が少なくて済むということがあります。住宅と異なり 電気・ガス・水道の手配が不要ですし、ゴミの回収などの手配も必要ないので、管理もしやすくなります。

土地を選ばない

家やマンションを建てるとなると、幹線道路や線路沿いなど、騒音が気になる土地や日当たりが悪かったりすると、デメリットとなります。また、狭かったり、土地が建物を立てやすい形状でないこともあります。しかし、トランクルームでは、日当たりや騒音はほとんど問題になりません。

トランクルームの可能性

トランクルームを運営するには、セキュリティやメンテナンス、トランクルーム寄託約款に基づいたルールなど、把握しておかなければならない点もたくさんありますが、土地の有効活用として可能性を秘めている部分もたくさんあります。

それには、もちろん設置場所の周辺エリアを分析して、どのようなニーズがあるのか、安心できるようなセキュリティ設備なども必要となりますが、これらの点をしっかり踏まえることにより、有効な土地活用に近づくことができます。

個人の趣味に関する、例えば、ワインセラー専用のトランクルームをオープンして、温度や湿度など家庭で保管するよりも充実させたりすることもできますし、企業でよりコンパクトに稼働できるように、フリーアドレス制などを導入して個人の机やキャビネットをなくしているところでは、資料や書籍を保管することもできます。

解体後の活用 倉庫

土地活用の事例 太陽光発電の設置

2012年7月にスタートした全量固定買取制度は、太陽光発電で生み出した電力を一定額で買い取ることを国が保証した制度です。

通常電気は1kwh20円前半の価格で電力会社から買いますが、太陽光発電で生み出した電力は電力会社が販売する価格よりも高い価格で買い取ってもらえることができます。つまり、遊休地に太陽光発電システムを設置することで収益化することができることになります。

太陽光発電のメリット

太陽光発電は、日照があれば場所を選ばず成り立つ発電方法のため、建物の屋根への設置や空き地でも行うことができます。

土地は都市部へのアクセスがよいほど価値が高くなりますが、太陽光発電においては、周辺に建物がないほど日照条件がよくなりますので、都市部以外ほど有利という逆の側面を持っています。

地価に影響されない

都市部以外の土地に関しては最も大きいメリットで、都会でも田舎でも太陽は同様に大地を照らすので、地価の安い田舎でも収益が落ちない特性を持っています。むしろ、障害物のない田舎ほど、効率的に発電が可能といえます。また、太陽光発電ではエネルギー源が無限に降り注ぐ太陽光なので、調達コストがかかりません。

買取制度がある

いくら太陽光発電で発電しても、買い取ってくれる相手がいなければ自分で消費するしかなく、家庭で消費できる電力の量は限られています。しかし、会社に一定の価格で買い取らせる国の制度があるため、太陽光発電で利益を生み出せる仕組みになっています。
太陽光発電ガイドブック出所:資源エネルギー庁 再生可能エネルギー固定価格買取制度ガイドブック

太陽光発電のデメリット

メリットもありますが、反面、デメリットもあります。特に国の施策の一部としておこなっていますので、それが変更されると、前提とされていたものが崩れてしまうこともあります。

買取需要が必要

せっかく発電しても、その地域を管轄する電力会社が電力を必要としていなければ、電量を制限されたり、買い取ってもらえなかったりします。電力会社の動向も変化しますので、状況変化については常に気にしておく必要があります。

設置後の日照の変化

太陽光発電を設置するときには、予想できなかった状況になる場合もあります。例えば、田舎の土地でも、10年先20年先には、近隣に新たな建物が作られたりなど、周りの変化は予測できないことがあり、思いがけず太陽光発電パネルに影ができる可能性もあります。

不動産の流動性が落ちる

太陽光発電は、平均で10年程度の償却期間を必要としています。その期間内に土地を処分しようとするときには、設備投資をすれば回収前に撤去しなくてはなりませんし、撤去費用が発生します。不動産の流動性が落ちるという点もあります。

太陽光発電太陽光発電はトラブルの話もよく耳にします。

業者が設置前には、とりあえず太陽光発電の設備を設置させようと必死に営業してくるところと、どれくらい太陽光発電がその土地でできるのか、収益があがるのか見積をするところと別れるようですので、相見積もりをとり、納得行くまで確認することが大切です。

また、設置後のトラブルは、設置工事の際に、施工業者が屋根を歩いて瓦をずらしてしまい雨漏りが発生したとか、ブレーカーが落ちてしまい2週間ほど売電できなかった、雪が落ちてきて、フェンスを破損してしまったなどの例もあります。そういったトラブルの時にも対応してくれる業者を選ぶことが大切です。予期していないトラブルがありますので、実際に検討するときはどのようなトラブルがあったのか、業者に聞いてみるのも一つの手です。

まとめ

解体工事後の土地有効活用として、トランクルームや太陽光発電について考えてみました。トランクルームは、初期費用も比較的安く、土地を選ばないという利点がありました。また、太陽光発電は、現在資源エネルギー庁が主導のもと、太陽光発電で生み出した電力を一定額で買い取ることを国が保証した制度である全量固定買取制度があります。そのため、日照条件が確保される場所であれば、収益の上る可能性が高くなります。一方、買取需要の変化や土地の日照条件の変化なども考えられますので、その点がリスクとして考えられます。

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