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解体業者を設立したい!必要な許認可や手続き・費用についてのまとめ

「解体業者の従業員として働いているけれど、そろそろ独立して自分の会社を立ち上げたい!」そう考えたとき、まずは何が必要になるのか知りたいですよね。

どんな資格や手続きが必要で、資金はどれくらい用意しておけばよいのでしょう?

この記事では、解体業者を新たに設立するために必要なものをご紹介します。

解体業者の設立のために必須な許可・登録について

解体業者を設立して事業を行うためには「建設業許可」または「解体工事業登録」という行政機関の許認可が必要です。

まずは建設業許可と解体工事業登録について見ていきましょう。

建設業許可とは?

建設業許可は、建設業法で定められた「建設工事を請け負うための許可」で、全部で29種類あります。

29種類の許可の中には、建物を建てるための許可や造園工事をするための許可、そして解体工事をするための「解体工事業の許可」などがあります。

解体業者さんにとっては、建設業許可を受けられれば、工事費500万円以上になる工事を全国どこでも請け負えるようになるため、集合住宅や店舗など、大きな建物を解体したいという場合には必要になるでしょう。

解体工事業登録とは?

解体工事業登録は、建築リサイクル法で定められた「解体工事を行うために必要な登録制度」です。

登録を受けていれば建設業許可がなくても、税込み工事費が500万円未満のものであれば請け負うことができます。

一般的な木造住宅の解体工事であれば、工事費が500万円を超えることはそうそうないため、駆け出しの解体業者さんであれば解体工事業登録を受けていれば十分だと言えます。

建設業許可・解体工事業登録を受けるための要件

ここで建設業許可・解体工事業登録を受けるためには何が必要なのか、それぞれ見てみましょう。

建設業許可

  • 経営業務の管理責任者としての経験があること
  • 専任技術者が営業所ごとに常勤していること
  • 請負契約に関して誠実性があること
  • 営業するための十分な資金があること
  • 欠格要件に該当しないこと

解体工事業登録

  • 基準を満たす技術管理者がいること
  • 不適格要件に該当しないこと

以上のように、建設業許可を得ようとする場合、多くの要件を満たしていなければなりません。特に、解体工事の経験が豊富にあっても、経営業務はしてこなかったという方も多いでしょう。

そのため、まずは解体工事業登録をして会社を立ち上げ、経営も軌道に乗り、もっと大きな会社にして、もっと大きな仕事をしようという段階になったときに、建設業許可の取得を視野に入れるのが現実的でしょう。

解体工事業登録を受けるための要件について

それでは次に、解体工事業登録の申請に必要なものを見ていきましょう。

解体工事業登録は、営業所(事務所)を置く地域だけでなく、工事を行う地域を管轄している都道府県、それぞれで申請する必要があります

例えば、工事を東京と千葉で行いたいなら、東京都知事と千葉県知事の登録を受けねばなりません。

また、解体工事業登録には「基準を満たす技術管理者がいること」という要件がありましたね。以下で「技術管理者」になり得る要件について見てみましょう。

① 以下のいずれかの解体工事に関する実務経験がある
区分実務経験年数国土交通大臣の登録を受けた講習を受講した場合の実務経験年数
大学、高等専門学校において土木工学等に関する学科を修了した方2年以上1年以上
高等学校、中高一貫校において土木工学等に関する学科を修了した方4年以上3年以上
上記以外の方8年以上7年以上

※土木工学科等とは、土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地または造園に関する学科を含む)、都市工学、衛生工学、交通工学、建築学に関する学科のこと

MEMO
国土交通大臣の登録を受けた講習」は、公益社団法人全国解体工事業団体連合会が実施する「解体工事施工技術講習」が該当します。

講習は2日間、朝から夕方まであり、廃棄物処理法や解体工事の計画と管理の仕方など、解体工事業に必要な知識について学びます。

受講料はインターネット申込で27,000円となっています。
参考 解体工事施工技術講習について | 全解工連解体工事施工技術講習について | 全解工連
② 以下のいずれかの資格を持っている
資格・試験名種別
建設業法による技術検定・1級建設機械施工技士
・2級建設機械施工技士(「第1種」または「第2種」に限る)
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(「土木」に限る)
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(「建築」または「躯体」に限る)
建築士法による建築士・1級建築士
・2級建築士
技術士法による第二次試験・技術士(「建設部門」)
職業能力開発促進法による技能検定・1級とび・とび工
・2級とび+解体工事実務経験1年
・2級とび工+解体工事実務経験1年
国土交通大臣の登録を受けた試験・国土交通大臣の登録を受けた試験に合格した者
MEMO
国土交通大臣の登録を受けた試験」は、講習と同じく、全国解体工事業団体連合会が実施している「解体工事施工技士試験」ですが、受験資格として①と同程度の学歴や実務経験が必要です。

しかしながら、土木工学などの建築に関わる学科以外の大学や高等学校を卒業している人でも、解体工事の実務経験が一定程度あれば受験できるため、例えば「普通科の高校を卒業して、その後は解体業者で5年半以上働いていた」という場合、この試験に合格できれば、実務経験を8年間積むよりも早く技術管理者となれる可能性があります。

受験料はインターネット申込で16,200円となっています。

①、②の要件のいずれかを満たしており、不適格要件に該当していなければ、技術管理者と認められます。

不適格要件とは?
・登録申請書および添付書類に虚偽の記載があったり、重要な事実の記載がなかった場合
・解体工事業の登録を取り消された日から2年を経過していない者
・暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者 など

解体工事業登録の申請について

解体工事業登録の申請書類はたくさんあって複雑に感じますが、各都道府県のホームページで書類の記入例などが載っている手引が閲覧できるので、参考にしながら作成するとよいでしょう。

インターネット上で「解体工事業登録 都道府県名」で検索すれば、手引に行き当たりやすくなります。

事業はどうすれば始められる?

解体工事業をするために必要な許可や登録は受けたとして、実際に事業を開始するにはどのような手続きが必要なのでしょうか?

まず、事業を行うには会社組織での運営と、会社はつくらず個人事業での運営とがあります。さらに会社組織にも、株式会社合同会社などの種類があります。

どの形態で事業を行うかは、年間でどれくらいの利益を出せるのか、また、お客様と取引先とはどのような関係でお仕事をしていきたいかなど、それぞれの状況で違ってきます。自分にはどのような形態が合っているのかイメージしながら、条件を確認していきましょう。

MEMO
合同会社とは?
合同会社とは、2006年の会社法の改正により、それまでの有限会社にかわって新しく生まれた会社形態です。

株式会社よりも設立費用が安く済み、設立手続きも簡単ですが、株式会社に比べて法人税などに有利・不利があるということはなく、「合同」という名はついていますが、1人でも設立できます

会社を設立する、個人事業を開始するには?

事業を始めるにはどのような手続きが必要なのでしょうか?まずは流れを簡単に見てみましょう。

このように、会社を設立するには多くの手続きが必要なのに対し、個人事業を始めるには届け出のみで完了です。

各項目については後で細かく見ていくとして、まずは会社組織と個人の違いについて見ていきましょう。

会社組織と個人の違い

会社組織は「法人」と呼ばれるのに対し、個人事業は「個人」です。

法人とは?
法人とは「法人格」のことです。また、人格とは「権利能力を持っていること」を指していて、個人の場合は生まれた瞬間から人格を手に入れます。
法人格とは、法律により人やお金が集まった団体に人格を与えたもののことです。

会社は設立した時点で社長個人とはまったく別の人格を持つことになり、その人格によって、ものやお金を所有したり、契約を結んだりできるようになります。
会社のお金や契約はすべて、社長個人ではなく、法人格を持っている会社のものということになるのです。

例えば、法人格を持っていない団体は、法律上は個人の集まりなので、契約を結ぶ場合、その契約は団体ではなく、団体の代表者個人が結ぶ契約ということになります。

法人格のことを理解できれば、個人事業についても自ずと理解できるでしょう。個人事業主とは、会社をつくらずに事業を行っている個人のことを指しています。

個人と会社、どちらと契約を結ぶほうが安心かと言われれば、社会的にも、人々の感覚的にも、会社との契約のほうが安心感がありますね。

さらに、「株式会社」という元来のブランドイメージに加えて、設立のためにも毎年経営していくためにもかかる、手間やお金、そこを乗り越えて会社という組織を運営しているという事実は、それだけでも信用につながります。

会社を設立するための手続き

それではここで、上でも見てきた会社設立の手続きについて具体的に見ていきましょう。
株式会社と合同会社とでは手続方法が少しずつ違います。ここではまず、株式会社の設立についてご紹介します。

① 会社の基本事項を決める

まずは会社の基本事項を決めていきます。基本事項とは以下のようなもので、②の定款の内容にもなるため、はじめにしっかりと定めておく必要があります。

  • 会社名(商号)
  • 会社名は誰でも読めて、覚えやすく、印象に残るものが理想です。
    また、会社組織だと明確にわかるように「株式会社〇〇興業」や「〇〇興業株式会社」というように前後のどちらかに「株式会社」と入れる決まりがあります。

  • 会社の住所
  • 会社の住所は営業所(事務所)を構える住所を書きます。
    まだ駆け出しの解体業者さんの場合、自宅を事務所としていることもあります。

  • 事業内容
  • 事業内容は、解体業者さんの場合「解体工事業」となりますね。
    将来的に、解体業だけでなく他の業種も営みたいと考えているなら、その業種名も記載しておくとよいでしょう。(例:「造園工事業」など ※建設業の業種についてはこちらのページがわかりやすいです)

    事業目的に記載があるからといって必ず事業を行う必要はありませんが、記載がないと定款に手を加えなければ事業を行うことができません。定款の変更には手間がかかるので、最初から記載してしまったほうがよいでしょう。

  • 資本金
  • 2006年の会社法改正により、会社は資本金1円からでも設立できるようになりました。ただ、金融機関から融資を受けたいと考えているなら、資本金はある程度あるほうが信用があるため、借り入れもしやすくなります。

  • 発起人
  • 定款には発起人の住所と氏名を記載します。ご自分以外にも一緒に会社を立ち上げ、そのための出資をする人であれば発起人として記載できます。

  • 事業年度
  • 事業年度とは、いつからいつまでを会社の1年とするかということです。会社は法律によって決算書の作成が義務付けられていて、事業年度の最終日を決算日として、1年間の経営成績や財務状態などを明らかにする必要があります。
    事業年度は自由に設定できますが、大きな企業は4月1日~3月31日を事業年度としていることが多いです。

以上のように、定款作成前には決めておくべきことがたくさんあります。また、事前準備として会社の印鑑なども作っておきましょう。登記を申請する際に必要になります。

② 定款を作成して公証人の認証を受ける

会社を設立するためには、定款を作成する必要があります。定款とは、会社の存在や目的、誰が代表して運営しているのかなど、会社の基本的な規則を定めて文書にしたものです。

この文書を公証役場に持って行き、公証人の認証を受けることではじめて定款として効力を生じることになります

定款の記載事項には以下のようなものがあります。

  • 法律上必ず記載しないと定款自体が無効となるもの(絶対的記載事項
  • ・会社名(商号)
    ・事業の目的
    ・営業所(事務所)の所在地
    ・設立する際の出資額(資本金額)
    ・発起人の氏名・住所
    ・発行可能な株式の総数

  • 定款に記載しないと法的な効力が生じないもの(相対的記載事項
  • ・株式の譲渡制限に関すること
    ・公告の方法
    ・役員の任期 など

  • 記載するかしないか当事者に任されているもの(任意的記載事項
  • 任意的記載事項は、基本的には自由に書いてよいものとされています。例えば、社訓を書いたり、大きな会社になると、株主総会の運営に関することや、取締役の権限がどこまで認められるかなどを書いている会社もあります。

    定款に書いておくメリットとしては、定款は「会社の憲法」に相当するため、そこに定めておくということは、それ相応の効力を持つことになるということ、また、その項目は定款の変更手続きを行わない限り変更できなくなるという点もメリットと言えるでしょう。

定款の作成はA4サイズの紙で行いますが、手書きでもPCで作成したものでも構いません。定款の雛形や記載例などはインターネット上にたくさん載っていますので、参考にしながら作成するとよいでしょう。

ここでは日本公証人連合会の記載例のページのリンクを貼っておきます。
参考 定款等記載例 | 日本公証人連合会定款等記載例 | 日本公証人連合会

MEMO
最近では電子定款で提出する人も増えています。
紙の定款には4万円分の収入印紙を貼る必要がありますが、電子のものには貼る必要がないため、印紙代の4万円が浮くことになります。
ただ、電子定款を作成するには、必要な手続きや作成に欠かせない電子機器などがあります。

そのため、電子定款作成だけを代行業者や司法書士さんに依頼してしまうのも一つの手です。印紙代の4万円よりも安く済むことが多いようです。
また、定款作成から設立登記の申請までをすべて代行してくれるサービスもあります。

③ 出資金を払い込む

無事に定款の認証を受けられたら、次は会社の資本金とするためのお金を会社に出資します。1人で会社を設立するときでも、自分名義の口座に自分でお金を振り込み、その記録を通帳に残す必要があります

そして通帳の表紙と、めくって1枚目の支店番号や口座番号が載っているページ、そして振込が確認できるページをコピーして、出資金の払込証明書とともに綴じます。これらの書類も後に登記の申請書類となります

払込証明書の作成方法については以下のページがわかりやすいので、ぜひ訪ねてみてください。

参考 STEP7 資本金を口座に払い込み、証明書を作成する|自分でできる会社設立自分でできる会社設立
MEMO
出資金は現金だけでなく、車やパソコン、不動産などの現物でもかまいません(現物出資)。
その分の手続きが増え、定款に記載しなければならないことも増えますが、出資したものが時間の経過や使用により価値が減少していくものである場合は、失われていく価値の分を会社の経費として落とすことができ(減価償却)、毎年の税金が少しだけ免除されるなどの利点もあります。

④ 会社の設立登記を申請する

次は、登記の申請についてご紹介します。

登記の申請をすると、定款で定められている会社の概要や代表者の情報、資本金額などの情報が法務局で審査され、受理されれば登記簿に記載されます。

そうすることで会社の情報は世間に公表され、一般の人でも会社の情報が閲覧できるようになります

会社を立ち上げる際は「商業・法人登記」の中の「株式会社 設立登記」の申請をします。設立登記の申請には以下のような書類が必要です。

  • 登記申請書
  • 登録免許税 納付用台紙
  • 登記すべき事項をまとめた書類(登記事項提出書)
  • 定款
  • 印鑑届書
  • その他の添付書類

上から3つ目の項目にある「登記すべき事項をまとめた書類」は、これまでOCR用紙という専用の紙に書いて提出していましたが、近年、以下のように提出方法が変更されています。

① オンライン登記申請
② 登記・供託オンライン申請システムによる登記事項の提出
③ 磁気ディスクによる登記事項の提出
④ 用紙による登記事項の提出

法務局では特に②の「登記・供託オンライン申請システムによる登記事項の提出」を奨励しています。

確かに手続きがわかりやすく、その後の「登記申請書」の作成も簡単にできるため、ここでは②の方法での登記申請の仕方についてご紹介します。

① 申請用総合ソフトをダウンロードする

まず、「登記すべき事項」の書類(以下、登記事項提出書と呼びます)を作成・提出するには、パソコンで専用ソフトをダウンロードする必要があります
ソフトは以下のページから無料でダウンロードできます。
参考 ソフトウェアのダウンロード | 登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっとソフトウェアのダウンロード | 登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと

申請用総合ソフトのダウンロード方法、申請者情報登録については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考になさってくださいね。
登記申請用総合ソフトのダウンロード・利用までの手続きを解説します

② 登記事項提出書を作成、送信する

ダウンロードした申請用総合ソフトを起動し、登記事項提出書を作成していきます。手順はこちらのPDFファイルがとても詳しいので、ぜひ参考にされてください。

入力してみるとわかるように、登記事項提出書を作成すると、同時に、その後必要になる登記申請書の記入も行うことになります

登記事項提出書を送信し、無事に登記・供託オンライン申請システムに到達すると、到達通知を確認できるようになります。(上のPDFファイル「7」に説明あり)

到達通知も登記申請書類の一部となりますので、到達通知画面の印刷も忘れないようにしましょう

③ 登記申請書を印刷し、収入印紙用の紙を用意する

次に、作成した登記事項提出書の印刷をします。(上のPDFファイル「8」~印刷方法の説明あり)

すると登記申請書が印刷されますので、申請人のところに押印します。(会社の実印として「印鑑届書」で届け出ようとしている印鑑で押すこと。上のPDFファイル24ページに見本あり)

また、ご自分でA4の白い紙を用意し、収入印紙を貼るための台紙とします。そこに登録免許税(150,000円)分の収入印紙を貼りましょう。収入印紙は郵便局や、法務局、市役所などで手に入れることができます

15万円分なので、10万円と5万円分の印紙税を支払い、2枚並べるようにして貼りましょう。


(出典:国税庁『収入印紙の形式改正について』)

そして、登記申請書から収入印紙のページまで、ひと繋がりの書類であることを証明するための契印をします。見本にあるように、ページの繋ぎ目に押印しましょう。この3枚の書類は一緒にして綴じておきます。

④ 必要書類を揃え、登記所に提出または送付する

登記申請書ができあがったら、申請に必要な書類をすべて揃えて管轄の法務局に提出しましょう。必要書類は以下のとおりです。

  • 登記申請書(登録免許税分の収入印紙台紙を一緒に綴じたもの)
  • 定款
  • 印鑑届書(会社の実印を届け出る)
  • その他添付書類
  •  ・発起人の同意書
     ・設立時取締役選任および本店所在地決議書
     ・設立時取締役の就任承諾書
     ・払込みがあったことを証する書面

     ・取締役個人の印鑑証明書
     ・取締役個人の住民票(または運転免許証の写し)

     (以上、1人で会社を設立する場合に必要な添付書類)

添付書類の作成については、法務省のページの「3 添付書面情報の添付」に作成例が載っていますので、参考にするとよいでしょう。

参考 法務省:一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです!法務省:一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです! (※ただし、上の作成例には印鑑を押す箇所が示されていないので、こちらも併せて参考にするとよいでしょう)

MEMO
印鑑届書の用紙は法務局でも配られています。
また、こちらからも印刷できます。

さらに、取締役個人の印鑑証明書と住民票は、就任承諾書を提出する際に必要です。事前に市役所・区役所で発行してもらいましょう。

株式会社と合同会社の違いについて

ここで合同会社について簡単にご紹介しましょう。合同会社とは、株式会社と同じく法人格を持った会社組織です。

以下の表で違いを見比べてみましょう。

株式会社合同会社
設立費用登録免許税:15万円
定款に貼る収入印紙代:4万円
定款の認証手数料:5万円
全部で約25万円程度
登録免許税:6万円
定款に貼る収入印紙代:4万円
定款の認証手数料:なし
全部で約11万円程度
定款の認証必要必要なし
社外的な信用度高いやや低い
会社の責任有限責任有限責任
役員数取締役1名でもはじめられる社員1名からでもはじめられる
代表者代表取締役代表社員
役員の任期最大10年
(役員を変更すると登記の変更手続きが必要になる)
なし
資本金1円以上1円以上
社会保険加入義務あり加入義務あり
決算の公告義務ありなし

このように、合同会社は株式会社よりも設立費用が低く抑えられ、また、設立の手続きも比較的簡単です。
ただ、合同会社という名称があまり知られていないため、一般のお客さんからの信用度がやや低いと言えます。

また、株式会社と合同会社とでは組織のしくみが違います。小さな会社で従業員も少なければ、それほど差を感じることはないかもしれませんが、頭に入れておくといいかもしれません。

株式会社と合同会社の違い



株式会社は株式を発行し、出資金を募ります。投資家は株式を買うことで会社の株主となることができます。

株式会社において実際の業務を行うのは、代表取締役以下、従業員たちですが、取締役会のメンバーを選び、会社の基本方針を決定するのは、会社の最高意思決定機関である株主総会です。ですから、会社の重要な意思決定は、株主総会を飛ばしてすることはできません。

一方、合同会社は、出資者はみな社員とされ、会社の業務を行う権限を持っています(ただし、必ずしも会社で働く従業員である必要はない)。中でも代表者は「代表社員」と呼ばれます。

株式会社のように、会社の業務を行う人たちと出資者たちが分離していない分、意思決定をして行動に移すまで、とてもスムーズに行える点は、合同会社のメリットと言えるでしょう。

MEMO
代表社員」という肩書は会社のトップであることがわかりづらいため、「社長」や「代表」、「CEO」などの肩書を使う人も多くいます。ただし、株式会社の取締役会トップの肩書である「代表取締役」とは名乗れないので注意しましょう。

また、合同会社の設立手続きでは、株式会社のときと同じように定款を作成します。

株式や取締役会についてなどの決めごとがない分、簡素で作成しやすく、さらに公証役場で認証を受ける必要がないため、その分の手数料5万円はかかりません

ただし、定款は登記申請の添付書類ですので、しっかりとした文書を作成する必要があります。法務局の登記申請書の作成例を参考にしてもいいですし、インターネットで定款の雛形を検索してみてもいいでしょう。

参考 法務局「合同会社設立登記申請書記載例」法務局「商業・法人登記の申請書様式」 参考 電子定款のひな型|電子定款作成(旧 日本電子定款作成センター)|会社設立・経営サポートセンター電子定款のひな型|電子定款作成(旧 日本電子定款作成センター)|会社設立・経営サポートセンター

登記の申請については、上でご紹介した、株式会社の登記申請の手順とほぼ同じで、申請用総合ソフトを使い、「株式会社」を選ぶところを「合同会社」を選んでいけば、書類の作成と申請手続きができます。

申請書類は以下のようなものです。株式会社のときと似ていますね。

  • 登記申請書(登録免許税分の収入印紙台紙を一緒に綴じたもの)
  • 定款
  • 印鑑届書(会社の実印を届け出る)
  • その他添付書類
  •  ・代表社員、本店所在地および資本金を決定したことを証する書面
     ・代表社員の就任承諾書
     ・払込みがあったことを証する書面

     ・代表社員個人の印鑑証明書

法務局のファイルに詳しく記載例などが載っていますので、参考になさってください。

個人事業を開始するための手続き

ここまで長らく会社設立についてご紹介してきましたが、個人で事業をはじめる、個人事業主となるのは実に簡単で、何種類かの書類を提出するだけです。以下で提出書類について見ていきましょう。

開業したすべての個人事業者が必ず提出する書類

書類名届出先
個人事業の開業・廃業等届出書税務署
事業開始等申告書(個人用)都道府県税事務所
市町村役場

青色申告をする際に必要になる書類

書類名届出先
所得税の青色申告承認申請書税務署

個人で事業を行う場合、1年間で得た所得にかかる税金の額を自分で計算し、納めるべき税金額を国へ申告する必要があり、これを確定申告と言います。

確定申告には「青色申告」と「白色申告」があります。

青色申告は詳細で複雑な複式簿記による記録が必要になりますが、そのかわり最大65万円の控除が受けられるなど、節税効果が高いので、少しハードルが高くても、はじめから青色申告を選択しておくことをおすすめします。

青色申告をする際には上記の「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要ですので、開業届と一緒に税務署に提出してしまいましょう。

家族が事業を手伝い、賃金を支払うときに必要な書類

書類名届出先
青色事業専従者給与に関する届出書税務署

青色申告をしていて、かつ上記の書類を提出すれば、家族に従業員として働いてもらい賃金を支払う場合の賃金の全額を経費として扱うことができます

従業員を雇ったときに必要な書類

書類名届出先
給与支払事務所等開設届出書税務署
労働保険保険関係成立届労働基準監督署
労働保険概算保険料申告書労働基準監督署
雇用保険適用事業所設置届ハローワーク
雇用保険被保険者資格取得届ハローワーク

従業員を雇って賃金を支払うことになったら、事業主は従業員の賃金から所得税を天引きし(源泉徴収)、かわりに納税する義務があります。また、従業員を一人でも雇っていれば、労働保険料も納めなければなりません。

従業員を5名以上雇ったときに必要な書類

書類名届出先
健康保険・厚生年金保険新規適用届年金事務所
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届年金事務所
健康保険被扶養者(異動)届年金事務所

個人事業の場合、従業員が5人未満であれば社会保険(健康保険や厚生年金保険)への加入は任意となっていますが、5人以上になると加入が義務になるため、上に挙げた書類の提出が必要になります。保険料は事業者と従業員が半分ずつ支払います。

以上のように、個人事業を開始するには必要な書類を提出すれば完了です。設立費用も特にはかかりません。会社を設立するよりもはるかに簡単で手軽なため、とりあえず個人事業ではじめて、利益が大きくなったら会社を設立しようと考える人も多くいます。

MEMO
青色申告には会計ソフトを使おう!
青色申告をするために必要な複式簿記は、簿記の知識がないと記録するのが難しいものですが、会計ソフトを使えば初心者でも簡単に会計業務を行うことができます。
青色申告のために必要なのはもちろん、経営状態をよく把握するためにも役立つでしょう。
参考 クラウド青色申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」|確定申告ソフトなら弥生会計ソフトの弥生株式会社 参考 青色申告ソフト | クラウド会計ソフト freee会計ソフト freee (フリー) | 無料から使えるクラウド会計ソフト

法人と個人、どちらがいい?

ここまで、法人と個人の事業のはじめ方を見てきましたが、どちらで起業するのがいいのか悩まれると思います。

「利益がある程度出ているなら、法人にしてしまったほうが税金対策になる」とはよく見かける文言ですが、法人で事業を行う場合、税金だけでなく、社会保険料や、決算や申告手続きのために仕事を依頼する税理士さんへの報酬など、かかるお金がたくさんあります

法人か個人かを決定するには、利益がどれくらい出そうか、扶養家族がいるかどうか、家族従業員・従業員がいるかどうかなど、それぞれの条件でシュミレーションしてみる必要があります。

まずは税理士事務所などとかけ合い、お金の専門家に相談してみるとよいでしょう。

解体業者設立のために持っておきたい資格は?

現在、解体業者で働いている方は、工事を行うのに必要な資格は一通り持っているかもしれませんね。

以下のような資格があれば、解体業者として申し分ないでしょう。

  • 車両系建設機械(整地・運搬・積込および掘削)の運転
  • 車両系建設機械(解体用)の運転
  • 職長・安全衛生責任者教育
  • 小型移動式クレーン運転技能講習
  • ガス溶接技能講習
  • 玉掛け技能講習
  • コンクリート造の工作物の解体等作業主任者講習
  • 特定化学物質等作業主任者技能講習
  • 木造建築物の組立て等作業主任者講習
  • 建築物等鉄骨の組み立て等作業主任者技能講習
  • 足場の組立て等作業主任者技能講習
  • 石綿作業主任者技能講習

必要だと思う資格があれば、独立前に取得してしまうか、すでに資格を持っている仲間を見つけておくといいですね。

設立にかかるお金はどれくらい?

最後に、解体業者設立のために用意するといい備品などにかかる費用も含めて、設立にはだいたいどれくらいのお金が必要なのか、ざっくりとですが見ていきましょう。

以上のように、印鑑一つとっても価格はピンきりです。試しに、東京都と千葉県の登録を受け、合同会社を設立し、備品はすべて安めの物で揃えた場合の合計金額を出してみると、365,500円になりました

ここへさらに資本金を用意したり、事務所を構えたりする場合は、その分が上乗せされます。細々したものも、きちんと計算してみると案外大きな額になってきますね。

まとめ

解体業者を一から立ち上げようとすると、複雑な手続きやお金が必要になるし、税金のことなど、考えねばならないことがたくさんありますね。

必要なものが一通り明確になったら、まずは今の会社で働きながら、必要な資格は取ってしまい、少しずつ資金を貯めるなど、準備を始められるといいかもしれません。

いずれ、一番いい道で独立・開業できますように。私たちも新しい解体業者さんたちを応援しています!