施工主が考える失敗しない解体工事業者とのつきあい方

解体業者との付き合い方

解体工事は、新築で家を建てることと比べると、お客様から喜ばれる機会は少ないかもしれません。 なぜなら近隣に迷惑のかかるクレームの出やすい工事ですし、必要に迫られて行うことが多いので、とにかく安く済ませたいということが多いためです。

それでもお客様である施工主に喜ばれる解体工事業者もいます。そのような解体工事業者はどのような特徴があるのでしょうか。

施工主に喜ばれる解体工事業者

やはり信用・信頼がもてるような対応が大切です。解体工事の業者や作業員が、明るく礼儀正しい挨拶や気持ちの良い言葉使いや態度などのマナーを身につけていると、施工主もこの解体工事業者に任せて大丈夫と感じます。解体工事はどうしても騒音や、振動、粉塵の飛散などが出てしまいますが、信頼できる業者であれば、近隣の住民も協力してくれやすくなります。

また、コンプライアンスを意識していることも大切です。解体工事業者は産業廃棄物の不法投棄などで、しばしばニュースになっているのを見聞きしますが、法令遵守の元に作業することが求められます。社会貢献や環境配慮への取り組みがされている会社は優良業者とみなされることが多くなります。

地域に密着した豊富な実績があり、丁寧で安全な作業・綺麗な仕上げをしている解体工事の様子は、解体工事の現場を実際に目にしたり、口コミなどでも伝わっていくようです。

そして、どのような内容で構成されているのかわかりやすい明瞭な見積書と工程管理がしっかりされ、それに基づいた根拠のある見積書の提示や、十分な打ち合わせを重ね、施工計画書を作成します。そして、納得出来るまでご説明をし、契約書を交わした上での工事をしています。

このような信頼できる業者であれば、施工主も安心して任せることができますが、なかなかそこまで信頼できるか判断が難しい時には、施工主からの解体工事業者とのコミュニケーションを図ることも大切です。解体業者の職人さんから聞いた施工主から喜ばれた解体工事の話をご紹介したいと思います。

施主様なの?現場監督さんなの?という方のお話

現場は埼玉県の静かな町。そこが今回のお話の舞台です。

実家を建て替えるということで、今住んでいる自宅を解体したいと連絡があったのは、解体工事を行う1~2ヶ月前くらいでした。今回の施主様の第一印象は、すごく優しそうな感じだったと職人Aさんは言っていました。

初めてお会いしたのは、お見積りを取る為に行った現場確認の時でした。現場では、新築の設計に関していろいろと細く説明をしてくれました。

「建築関係の仕事に携わっていたのかな?」職人Aさんはそう感じたそうです。

その後も新築との兼ね合いなどで何度か直接お会いしたり、電話したりしたそうです。その打ち合わせの際の対応が大変誠実で信頼出来るということで解体工事の施工依頼をもらったそうです(職人Aさんは自慢気にお話をされておりました)。

新築工事と解体工事の工期の調整などもスムーズに行うことが出来、順調にお話が進みました。そして、工期、金額が決まったということでお互いが契約内容を確認したうえで契約書を結ばれました。しかし、ここまで本当に話のわかる方という印象だった施主様が、いざ解体工事着工となった時から当初の印象からすこし変わっていったそうです。

まず、解体工事では、少しでも近隣の方の負担を軽減する為に防音シートなどの養生(周囲の汚損を防ぐために保護する為のもの)を工事中には現場を囲うように設置します(解体工事は騒音や砂埃などが起こり、近隣の方に全く影響が出ないというのは困難な工事です)。

養生

作業の流れとしては、足場を組みシートを張ります。

その時、施主様は静かに現場の外から頷きながら解体風景を見ていたそうです。翌日、実際の解体工事に入ろうとした時に施主様が動き出しました。

「これからどういった流れで進めるの?」

この一言から施主様の質問ラッシュが始まりました。解体工事中に分かったそうですが、施主様は大手ゼネコンで仕事をしていたということで解体工事に関して詳しく知っておりました。

それから工事期間の6日間は、毎朝施主様はその日の解体工事の流れについて説明を聞きに現場に現れたそうです。その都度、その日の作業工程を細かく時間割りのように説明したと言っていました。

施主様は、「無事に解体工事が終了するまでは不安があった」と解体工事後に職人Aさんにお話をされたそうです。

「ただ、本当に細かな部分まで丁寧に工事してもらって本当に良かったよ。こういった解体工事を行う解体業者ばかりであれば、今みたいに解体業界に悪いイメージはつかないだろうけどね」って嬉しいお言葉もらっちゃったんだよ。と職人Aさんからお話を聞きました。

現在の解体業者の実態

このようにしっかりと解体業者より説明などの対応をしてもらうことが常識と思うかもしれません。しかし、安心、安全に法令遵守が出来ていない解体工事を行う解体業者がまだ存在するのは確かです

この方(施主様)は、解体工事に関して詳しく知識を持っており、解体業者とも関係を持っていた為、どのような解体業者に依頼することが良いかを知っておりました。

しかし、世間一般ではなかなか関わりを持つことがある業界ではありません。

解体工事業者とのやりとりで失敗しない為の方法

そこで、この施主様が取っていた行動から失敗しない為の方法を振り返ります。

  • 契約書を結び、曖昧にすることなく誠実に対応してくれる(安心)かを確認する

    現地調査の際に確認したことも含めて、契約時には細かな解体工事範囲まで確認して下さい。ここで工事金額、工事時期を確認し、契約書の内容を双方で確認し合ったうえで契約書を結びましょう。

  • 足場養生を設置し、事故がないよう丁寧に工事を行ってくれる(安全)かを確認する

    解体工事は、必ず近隣の方に負担となってしまうものです。騒音、振動、砂埃などが発生してしまいます。そのため、近隣配慮、工事中の安全性の為にも解体工事前には足場養生の設置を行います。また、この足場は風などの影響受けます。年に何件か足場が強風で倒れてしまう事故が発生しています。そのため、しっかりとした解体工事の実績があるということも大事な部分を担っています。

  • 産業廃棄物は、しっかりと処分場に持って行き、処分している(法令遵守)かを確認する

    実際に建物の解体が始まると毎日、廃材を処分場に持っていくことになります。現在、まだ解体業者による不法投棄の問題が発生しております。そのため、廃材を処分場に持っていくことで発行されるマニフェストを解体工事後に提出してもらうことが大事になってきます。

また、解体工事の質という面から考えると解体工事中の工事風景を写真にとっておくこともオススメです。

解体業者とのつきあい方についてのまとめ

解体工事中に毎日、現場に足を運ぶことは難しいと思います。そのため、この方のように毎日現場で職人さんの動きを確認し、説明を受けることはできないことがほとんどです。そこで、3つのポイントである

  • 契約書を結び、曖昧にすることなく誠実に対応してくれる(安心)
  • 足場養生を設置し、事故がないよう丁寧に工事を行ってくれる(安全)
  • 産業廃棄物は、しっかりと処分場に持って行き、処分している(法令遵守)

を守って高い質の解体工事が出来る解体業者であるか確認して下さい。

また、専門業だからと解体工事業者に任せっきりにするのではなく、施工主側でも解体工事について調べています、勉強しています!という姿勢を見せることも大切です。必要な情報は施工主からも聞いたり確認してみましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。