もしかして違法業者かも?解体業者の許可と資格をチェックしよう

建物の解体工事をする時、馴染みのない業界なので何を基準に解体業者を選べば良いかお迷いになる方も多いと思います。

「出来るだけ解体費用を安く抑えたいけど、違法業者だったり近隣トラブルがあると困る…」

悪徳業者に騙されないためにも、見積もり費用だけで判断するのではなく解体業者がどんな資格や許可を持っているかも大切な判断基準になります。

今回は安心して解体業者を選ぶために知っておきたい、解体業者に必要な許可や手続き・保有しているとより良い資格についてご紹介します。

事前に確認!解体業者に必要な許可

ショベルカー

解体業者を営むには、資格の所有だけでなく建設業許可という許可を受けるか解体工事業登録という登録を受けるかどちらかが必須です。違法な解体業者の被害に合わないためにも、現地調査で気になった場合は登録か許可を受けているか確認しましょう。2つの大きな違いは、請け負う解体工事の金額制限です。

「建設業許可」は請け負い金額の制限がなく、「解体工事業登録」は1件についての工事金額が500万円未満の工事という決まりがあります。どちらを持っている解体業者が良いという基準はありませんが、請負金額以外にもそれぞれ特徴があるので、解体業者選びの判断基準となるポイントについてご説明します。

建設業許可とは?

書類を書く人

建築業法という法律に基づいて、解体業者を営むには建築業の許可を取る決まりがあります。以前は建設業の許可の中で、「土木工事業」「建築工事業」「とび・土工工事業」のいずれかの建設業許可をもつと、解体業者として全国どこでも営業することが出来ました。

建築業法が改正されてからは1件500万円以上の解体工事を行う場合は、移行期間中(平成31年5月31日まで)は改正前の許可・又は解体工事専門の解体工事業という新設の許可が必要となりました。

平成29年現在ではどちらの許可でも解体工事を行えるため、1件500万円以上の解体工事を依頼する場合は「とび・土工工事業」又は「解体工事業」の許可を持っているか事前に確認しておきましょう。

建設業許可の基準と特徴

建設業許可を得るためには厳しい基準があり、一定の経験を積んだ人間が在籍していないと取得できません。該当する事業に5年以上経営者としての経験がある・10年以上の実務経験がある等が取得の条件の一つになります。

このように基準が高いため、建設業許可を持っている場合は経験を積んだ人間が在籍していおり、企業としても一定以上の業績があると考えられます。

一方で以前解体工事業は「解体事業」として独立した許可がなく、建設業の「とび・土工工事業」の許可で営業が出来たため、解体工事専門の業者ではありませんでした。そのため普段は他の業務を行っていて、解体工事はできても工事を請け負った件数が少ない解体業者であるかもしれません。

解体業者の見分け方

解体工事を多く請け負っている解体業者であるかを見分けるには、顔合わせをした際に工事について質問をすることが判断材料の一つになります。

解体工事を行う建物や場所を実際見てもらった時に、「解体工事はどのような流れで進みますか?」といった質問をしてみましょう。返答が「やってみないとわからないですね」といった曖昧な表現の場合は注意をして下さい。

解体工事を多く請け負っている業者なら、現地を見ただけで立地や建物の特徴から、どうやって車を搬入してどう壊してと具体的な流れを話してくれます。トラブルを避けるために、実際会ったときに質問を行い、解体業者の反応を見るのも一つの手段です。

解体工事業の登録とは?

建設業許可を持っていない業者が解体工事を行う場合は、建設リサイクル法という法律に基づいて、解体工事業の登録を受ける決まりがあります。解体工事の大小に関わらず、工事を行う管轄の都道府県知事へ「解体工事業」の登録を受けることが義務づけられています。

解体工事業の登録は、解体工事を行う管轄区域の登録を受けた場合500万円未満の解体工事が出来る制度です。

解体工事業登録の基準と特徴

解体工事業登録は、許可とは異なり解体工事を専門で行っています。また500万円未満の解体工事のみ行えるので、大きなビルの工事などは金額面から不可能なため、主に住宅や小さなアパートの解体工事を行っています。

解体業者によって得意な工事も分かれますが、請負金額から見ると住宅の解体が得意な解体業者が多いと考えられます。

しかし、解体工事業登録は、許可に比べ取得の条件が少ないため、新規参入したばかりの解体業者である可能性も高まります。解体工事に慣れていない業者でないかを確かめるためには、顔合わせの際に事前申請についての確認をしてみましょう。

例えば、建設リサイクル法という法律で80平米(約24坪)に満たない建物は工事の前に事前申請の必要はありません。ですが、念のため「解体では事前に申請があると聞いたのですが」などと質問するのも一つの手段です。

工事に慣れている解体業者であれば事前申請の条件の説明や、解体する建物が条件を満たしており事前申請がいる場合はスムーズに対応を行ってくれます。

依頼前に許可の確認をする

違法な解体業者に工事を依頼することの無いよう、事前に建設業許可または解体工事業登録を受けているか確認しましょう。解体業者によっては会社のホームページに許可書や資格の一覧を載せている業者もいます。

しかし、解体業者は小規模の業者や下請けの業者が多いこともあり、ホームページを整備していない場合も多いので契約前に許認可を見せてもらう事をお勧めします。

解体業者を選ぶ際の注意点
・損害賠償保険への加入確認
・見積書や契約書等の金銭に関わる事項は必ず書面で交わす事

という2点が挙げられます。口頭だけの場合、追加費用が発生したケースはトラブルに発展しますし、安全対策をしていても残念ながら危険を伴う解体工事では保険への加入が必須です。悪質な高額請求やトラブルを避けるため、解体業者を選ぶ際は価格や人柄だけで決めずに、違法業者ではないかのチェックをしましょう

チェックリスト 解体工事のチェックリスト!失敗を防ぐための12の項目

業者選びの判断にも!解体工事業の資格一覧

解体工事に関わる資格は、クレーン運転士などの重機に関わる資格から建築士などの資格まで多岐に渡ります。建設業許可や解体工事業の登録を受けるために必須の資格以外にも、より安心して解体業者選びをしたい時に下記のような許可や資格も参考にして下さい。

国家資格一覧

全ての資格が必須というわけではありませんが、国家資格は難易度が高く、一般的に社会的な認知度や信頼性の高い資格です。解体業に関連した多くの国家資格が存在しますので、主な国家資格を一覧でご紹介します。

国家資格一覧
・一級建築士
・二級建築士
・一級建設機械施行技士
・二級建設機械施行技士
・一級とび技術士
・二級とび技能士
・一級土木施行管理技士
・二級土木施行管理技士
・一級建築施行管理技士
・二級建築施行管理技士
・解体工事施行技士

アスベストに関する資格

アスベスト

解体工事を行う前に、事前にアスベストがあるかを確認します。アスベストとは建築材料の一部として使用された天然鉱物繊維で、健康障害の危険性が高い物質です。そのため解体予定の建物にアスベストが発見された場合、解体業者がアスベストの専門業者に除去を依頼します。または解体工事の依頼者が、アスベスト工事と解体工事を業者を分けて発注するのも可能です。

解体業者が「石綿作業主任者」及び「特別管理産業廃棄物管理責任者」を配置しており届出が受理された場合、アスベストのレベルによっては分離発注をせずに解体業者によるアスベストの除去が可能です。そのため、アスベストに関する下記の資格を有しているかも解体業者選びの一つの指針として考えられます。

アスベストに関する資格
・「石綿作業主任者」または「特定化学物質等作業主任者」
・「特別管理産業廃棄物管理責任者」

アスベストの除去には上記の資格を持っているだけではなく、作業員全員が石綿取扱い特別教育を受けている必要があります。解体予定の建物にアスベストが含まれていた場合、適切な処理をしないと危険を伴うだけでなく施主に責任が及ぶ可能性もあります。また、アスベストのレベルによっては建物の解体費用も大きく変わってしまうので、解体業者を選ぶ際にはアスベストについての説明の有無を確認しましょう。

アスベストの危険性と処理方法 解体工事の前に知っておくべきアスベストの危険性と処理方法

廃棄物に関する許可

廃棄物

解体工事は単に取り壊すだけではなく、大量に排出される産業廃棄物の適切な処理も必須です。産業廃棄物の運搬を行うには、資格ではなく産業廃棄物収集運搬許可という許可が必要です。

産業廃棄物の運搬を事業として行う為には、荷の積む所と下ろす所の両方の都道府県の許可を受けます。許可のエリアを知れると主にどの辺りで仕事をしてるが分かります。

産業廃棄物収集運搬許可は講習会に参加すれば取れるのもではなく、収集運搬のための運搬車があるか・経理的基礎を有しているか(債務超過ではない)等の条件をクリアしないと許可は取れません。その為会社としての信頼も期待できます。

許可を持っていない解体業者は、廃棄物運搬業者と提携し処分を任せています。一方許可をもっている解体業者は自社施行してるので、廃棄物の運搬に関して費用を抑えられる可能性が高いです。また、解体から廃棄処分まで一貫して同じ業者が対応しています。

解体工事で必ず排出される廃棄物の処理を安くできる可能性があることや、処分まで一貫して任せられる解体業者である安心感から、産業廃棄物収集運搬許可は解体業者選びに有益な許可だと言えるのではないでしょうか。

知っておきたい!解体工事に必要な4つの手続き

手続き

解体工事では主に【道路使用許可申請・建設リサイクル法の申請・マニフェスト表の提出・建物滅失登記の提出】という、4つの手続きを行わなければなりません。手続きによっては施主に提出義務があるので、トラブルに巻き込まれないよう資格以外にもそれぞれの手続を理解している解体業者を選ぶことが重要です。知らなかった為に違反行為をしてしまう事の無いよう、4つの手続きを確認しておきましょう。

道路使用許可の申請?

解体工事時に公道を使う為「道路使用許可申請」を警察署へ提出します。道路使用許可申請は作業者である解体業者の申請が道路交通法で義務づけられています。

道路使用許可申請は解体業者が有償で行いますが、工事を依頼する側が申請することも可能です。もし少しでも解体工事の費用を安く抑えたい場合は、申請書を期日までに作成・警察署に提出するので、その分の費用を割り引いて欲しいという交渉も可能です。

解体業者と依頼主どちらが提出しても良いのですが、一般的には解体業者が提出を行います。また、申請は法律で義務付けられているため、道路使用許可申請をきちんと行ってくれるか、解体業者へ事前に確認を取りましょう。

建設リサイクル法の申請

建設リサイクル法により建設リサイクル法の対象となる建物の解体工事を行う場合、解体工事を行う7日前までに都道府県知事へ工事内容などを記載した書類を提出します。対象となるのは特定建設資材を用いた建物で、床面積の合計が80㎡以上の建築物です。またコンクリートやブロック等による工作物でも、請負代金が500万円以上のものは、建設リサイクル法の対象となります。

建設リサイクル法の事前申請は、施主に提出の義務があるため忘れずに解体工事前に届出を行いましょう。届出は解体業者に委任という形でお願いすることも出来ます。忙しくて書類を書く時間がない、という場合は事前に解体業者に建設リサイクル法の事前申請を依頼できるか聞いておきましょう。

マニフェスト表の提出

マニフェスト

解体工事を行うと必ず木材やコンクリートなどの廃棄物が排出されるので、大量の廃棄物処分が必要になります。廃棄物処理法で「マニフェスト制度」という制度が、解体業者に義務付けられています。

マニフェスト制度とは工事のときに排出された産業廃棄物を、どの会社が運搬しどう処分するかという最終処分を行うまでの過程を明記する制度です。

マニフェストは紙媒体が多く7枚綴りの伝票です。電子式のマニフェストもありますが、使用している解体業者は少数です。マニフェストには適切な廃棄物の処分を行ったかの確認の為、どのような廃棄物が出たか・運搬業者名・処分業者名・受付日などが細かに記入されています。マニフェストは5年間の保管が解体業者に義務付けられています。

違法処理をしている解体業者でないか確かめる為、マニフェスト表のコピーの請求・提示ができるかを事前に解体業者に確認しましょう。法律で決められている制度なので、提示出来ない・知らないという解体業者は不法投棄している可能性があるので注意して下さい。

建物滅失登記

更地

建物が存在しなくなったことを、法務局の登記簿上に登記する手続きのことを建物滅失登記と呼びます。解体工事した1ヶ月以内に建物滅失登記を行うことが、不動産登記法57条で定められていおり、建物滅失登記を行わなかった場合土地の売却が出来ないだけでなく、固定資産税が課税されたり10万円の過料に処される可能性もあります。

建物滅失登記はご自身で行うか、土地家屋調査士や司法書士に依頼することも出来ます。解体業者が建物滅失登記を行うわけではありませんが、手続きの前に「建物滅失証明書」と「解体業者の印鑑証明」を解体業者に準備してもらいます。

普段から解体工事の依頼を受けており、申請を理解している解体業者ならこれらの書類は用意ができますが、書類の存在を知らないという解体業者も少なからず存在します。手続きの際に書類が期限内に間に合うよう、現地調査のときに建物滅失登記に必要な書類について質問しておきましょう。

解体業者の許可と資格についてのまとめ

解体業者に必須の許認可や、解体業者選びに迷ったときに参考にしたい資格・許可についてご紹介しました。依頼しようと思った解体業者が違反業者ではないか不安な時は、解体業者に「建設業許可」か「解体工事業登録」の提示を求め、道路使用許可申請とマニフェスト等の確認をしましょう。

また工事業者は多く存在するので、より信頼できる業者をどう選ぶか迷った時は、国家資格・アスベストに関する資格・廃棄物に関する許可を持っているかも基準の一つになるというご提案をしました。

解体業者によっては、会社のHPなどに保有している資格を載せている解体業者も存在します。資格が多いほど重機を持っている、対応できる仕事の幅が広いという可能性があります。もちろん資格が全てではありませんが、より安心できる解体業者に工事を任せるために、資格や許可の有無を解体業者選びの判断材料の一つに入れてみるのはいかがでしょうか。

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