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贈与税が最大2,500万円まで非課税!でも相続の節税効果は一切なし?

相続時精算課税制度は「生前贈与」を行った場合、最大2,500万円まで贈与税が非課税になります。生前贈与では効力を発揮しますが、「遺産相続」ではデメリットが生じます。

相続時精算課税制度の仕組みを理解し、資産状況に応じて活用できるよう、具体的な事例を含めて説明して行きます。

贈与税がなんと2,500万円も非課税になる!

通常の生前贈与では年間110万円まで非課税ですが、非課税枠が最大で2,500万円になる相続時精算課税制度をご存知ですか?一見お得に思えますが、使い方次第ではまったく節税にならない可能性があります。それでは、相続時精算課税制度の利点は何なのでしょう?

そもそも相続時精算課税制度はどんな制度なの?

相続時精算課税制度はどういった内容なのでしょうか?簡潔にいうと、税金の支払いを将来に先延ばしにするのです。

節税に有効だと思われがちですが、節税が目的ではありません。生前贈与では2,500万円まで贈与税が非課税になりますが、贈与人が亡くなった場合、遺産だけでなく過去に生前贈与を受けた財産も課税対象になってしまうのです。

相続時精算課税制度って、なんだか難しい…

わかりづらいと思いますので、事例を使って解説します。

例えば、平成20年の時点で1億円を持っている高橋さんという人がいます。

この高橋さんが相続時精算課税制度を使って、子どもに2,500万円を贈与したいと考えました。この時は最大2,500万円まで非課税なので、贈与税は1円もかかりません。

Q:さて、ここで質問です。高橋さんが子どもに贈与をした後、高橋さんに残る財産はいくらでしょうか?
  • A:答えは7,500万円です。1億円から贈与した2,500万円を引くと、7,500万円になります。

10年後、平成30年に高橋さんは亡くなりました。この時点で、高橋さんの手元に残っていた遺産は10年前と変わらず7,500万円です。

Q:ここで2つ目の質問です。子どもはお父さんが亡くなったので、遺産相続をしなければならなくなりました。この際に遺産相続にかかる相続税はいくらでしょうか?

相続時精算課税制度の落とし穴!「非課税」という痛いツケ

気になる相続税の額はいくらになるのでしょう?相続時精算課税制度を使って生前贈与した財産は2,500万円まで非課税になりました。

しかし、高橋さん本人が亡くなってしまった場合、残りの財産だけではなく、相続時精算課税制度を使って贈与した財産も含めて相続税を計算しなければいけないのです。

つまり、高橋さんの遺産相続では、手元の財産7,500万円と相続時精算課税制度を使って贈与した財産2,500万円を足した、1億円に対して相続税が課税されます。

節税効果はない相続時精算課税制度!何のために存在するの?

相続時精算課税制度は「贈与をする時は贈与税を非課税にするが、遺産相続時には非課税分も課税する」というものです。

  • つまり、相続税へ最終的に課税されますので、節税ではなく税金の先送りというのが実態です。

最大の注意点は「自動継続」であること

相続時精算課税制度で一番注意しなければならないポイントは、一度「相続時精算課税制度」を選択すると、永久に相続時精算課税制度が継続される点です。

永久に相続時精算課税制度が継続されるとは、どういうことなのでしょう?この仕組みもややこしい内容なので、事例を使って解説します。

例えば、先程の高橋さんと同様、佐藤さんという人が平成20年に相続時精算課税制度を使って1,000万円を子どもに生前贈与したとします。

2,500万円の非課税枠に収まりますので、贈与税に課税はありません。その後、佐藤さんは平成21年に再び1,000万円を子どもに生前贈与しました。

高橋さんと異なるのが…

  • 1,000万円を2回贈与した。
  • 贈与額が2,500万円を超えていない。
という点です。

ここで相続時精算課税制度の利点が発揮されます!それは、2回目の1,000万円も贈与税が非課税になるのです。

考え方のポイントは、平成20年に贈与した1,000万円と、平成21年に贈与した1,000万円を合計した2,000万円は、相続時精算課税制度の非課税枠2,500万円以内に収まるからです。

相続時精算課税制度における非課税枠の考え方は、1度に使える金額ではなく、一生の累計額で使える最大金額と理解してください。

確かに贈与税は非課税となりますが、佐藤さんが亡くなった場合も2回の生前贈与、各1,000万円に対して相続税が課税されます。

110万円の非課税枠が一生使えなくなる!

相続時精算課税制度は、一度使うと自動継続となり取消は一切できません

トラブルになるのが相続時精算課税制度を適用したあとに、通常の非課税枠である年間110万円の贈与を行うケースです。この場合、相続時精算課税制度が適用されると、2度と年間110万円の非課税枠は使うことができません。

通常の贈与は110万円まで非課税となります。相続時精算課税制度の利点は財産を減らすことができるので、将来の遺産相続で遺産額が少ない場合に有効と言えるでしょう

有効的な相続時精算課税制度の利用法

相続時精算課税制度を使ってしまうと、2度と年間110万円の非課税枠が使えなくなるなどデメリットばかりが目立ちます。ですが、当然メリットも存在します。それは遺産相続の負担を少なくする場合です。

ちょっと待った!2,500万円を超えるとどうなるの?

その前に2,500万円を超えてしまった場合、税金はどうなってしまうのでしょう?もし、相続時精算課税制度の限度額を超過した場合、500万円に対して一律20%の贈与税が課税されます。つまり100万円の贈与税を払わなければいけません

しかし、この贈与税100万円については、遺産相続では相続税から控除されます。

相続時精算課税制度を使い、超過分の生前贈与を受ける際は必ず贈与税の申告書を税務署へ提出してください

相続時精算課税制度で得をするのは相続をしない人

将来、相続税のかからない人や少額の相続税がかかる人には、「相続時精算課税制度」はお薦めです。

例えば、ご自身が3,500万円の資産を持ち、子どもが自宅を購入する際、頭金として1,000万円を贈与したとします。

しかし、相続時精算課税制度を使わずに1,000万円を贈与した場合、177万円も贈与税がかかります。せっかく、少しでも補助してあげたいのに177万円も贈与税がかかっては断念するしかありません…。

そんなときにこそ、相続時精算課税制度です!

子どもへの贈与のケースでは、相続時精算課税制度を使えば1,000万円分を非課税で贈与することができます!

贈与をした後の財産額は3,500万円から1,000万円を差し引いた2,500万円です。遺産相続時の計算方法は、手元の財産2,500万円に生前贈与した1,000万円を加算した3,500万円に対して相続税がかかります

しかし、3,500万円は相続税の基礎控除の金額を下回るので、相続税はかかりません!
国税庁 基礎控除

贈与税は払った方が得?

相続時精算課税制度は節税をしたい人への制度ではありません。将来的に相続税のかからない人や、少額の相続税が負担になる人に対して、遺産相続の負担を軽くするためにあります。

資産額が遺産相続の基礎控除を下回る見込みがある場合、相続時精算課税制度は効果を発揮します。しかし、このケースに当てはまらない場合は、安易に活用しないよう注意して下さい!

まとめ

相続時精算課税制度は、贈与した人が亡くなった時点の遺産額が重要になります。また節税対策ではなく、遺産額の少ないケースで効力を発揮することもポイントです。

少子高齢化が進み、様々なメディアで相続税対策や資産運用について取り上げられていますが、「税金」はどのような方法を用いても公平性が保たれる仕組みになっています。

相続時精算課税制度も同じであり、非課税枠の金額だけではなく、現在の保有資産を把握したうえで充分に検討してください。