遺産相続の相談相手がいない!信頼できる専門家はいったい誰?

相続の相談

相続の手続きは様々な種類があり、遺産相続に関する手続きは誰もが直面する難しい案件です。

各種の手続き期限は短く、期限を過ぎると「優遇措置」や「特別控除」などが受けられなくなります。また、手続きのため何度も役所に通ったり、各専門家の事務所に足を運んだりするのは大変な労力です。

一生のうちに数回しか行わない作業に個人で手続きをトータルで考えるのは困難なことです。ここでは相続の業務に適している専門家が誰なのか見ていきたいと思います。

本当に専門家チームなのか?「相続の専門家」の実力は?

公益財団法人などが運営している「相談センター」は、相続に関する窓口を一括することで親族が行う煩雑な手続きを代行しています。

相続は「あの手続きをするためにこれが必要!」「この手続きはこうしないといけなかった…」など、全て自分で手続きをするとなると物理的に手が回らなくなる可能性があります。

その問題を公益財団法人が窓口になることで、トータルで手続きを引き受けてくれます。その結果、無駄な作業や時間、費用を少なくすることが出来ます。

「相続の悩み」。あなたは誰に相談しますか?

相続の専門家と呼ばれる人たちは有資格者を含めたくさんいます。あなたが相続の際、悩みを相談したいと考えた時に、相談する専門家は誰が良いのでしょうか?相談する相手として思い浮かぶのは、弁護士・税理士・司法書士などではないでしょうか?

  • 専門家なら安心して相談出来る
  • 普段付き合いしている専門家の方が状況を一番良く分かっている
  • 相談する場合、他に思い浮かぶ人がいない
  • 知り合いに紹介してもらおうと思っている

など、理由は様々です。相続の手続きは、さまざまな種類があるので、当然、強い分野・苦手な分野があるのも事実です。

一方で当事者の相続人には、各種手続きが期限が14日以内1ヵ月以内3ヵ月以内4ヵ月以内と、矢継ぎ早に事務処理の期限が迫ってきます。

具体的な書類を挙げると……

  1. 税の優遇
  2. 被相続人の収入を確定
  3. 相続放棄

など、予想以上に時間がかかる作業が目白押しです!結果的に期限を過ぎると、優遇措置や特別控除などが受けられなくなる場合もあります。

また、手続き自体も何度も役所に通ったり、専門家の事務所に足を運んだり、期限内に全てこなす為には、大変な労力です。

よく耳にする「相続相談センター」の実態は?公的な機関なの?

相続手続支援センター
画像引用:相続手続支援センター – 相続手続きの事なら全てお任せ下さい

「◯◯相続手続支援センター」というのは特定の企業や司法書士事務所などの屋号ではなく、フランチャイズ形式に近い「サービス名称」のようなものです。公的組織のように聞こえますが、実態は民間企業です。

「相続手続支援センター」という名称と相続業務に関するノウハウを提供する看板内容から、まず相談してみようと連絡を取る方が多いようです。ただ、そこにいるスタッフは地元にもともと事務所を構えていた司法書士事務所や会計事務所、税理士事務所だったりします。

組織上は支部ごとに独立して業務を行っているとのことなので、ネット上にある口コミ情報など参考程度に頭に入れておき、支部ごとに判断する必要があります。

ただし、同一地域内での評判については、具体例のあるマイナスの評判については一定の信頼性があると思っていたほうがよいでしょう。

相続全般に関する相談は公的機関へ

何をすべきかよくわかっておらず、まず相続の全般的な相談であれば、公的機関の相談先を利用するといいでしょう。公的機関であれば、相続に関する総合的な相談が無料で可能です。

税務署

税務署

→相続税(税金一般)

税務署では「税」に関する全般的な相談をすることが可能です。もちろん、税務署では相続税についての相談も受け付けています。実際に相談する場合は、お住まいの地域を管轄する税務署に電話する方法と、相談窓口に訪問する方法があります。各都道府県に複数の相談窓口が設置されているため、国税庁ホームページから最寄りの税務署を探してみるといいでしょう。

税務署を利用するメリットは、無料で相続税に関する説明を受けられる点です。ただし、一般的な相続税の説明に限られているため、相談者も相続に関するある程度の知識が求められます。単に、「節税したいのでどうすればいいですか?」と質問するだけでは、一般的な手引きを渡されて終わるだけでしょう。「配偶者控除制度はこれこれこういう場合に適用できますか?」と、具体的な質問をする必要があります。

また具体的な相続税の計算を依頼しても、計算と申告はご自身で行って下さいといって断られるでしょう。相続税の計算をするためには、財産に関する詳細な資料やデータが必要であるため、税務署の窓口で簡単に計算できるものではないからです。

商工会議所

商工会議所

→無料相談会を開催

各都道府県および区市町村の商工会議所では、定期的に相続に関する「無料相談会」を開催しています。こうした相談会に参加することで、無料で相続税についての相談ができます。

無料相談会に参加するためには、各商工会議所がいつ開催しているのかを確認する必要があります。相談会は毎月1回、毎週1回など、商工会議所によって開催ペースが異なるからです。日程を確認して商工会議所に電話やインターネットで参加の申込みをします。

この無料相談会に参加するメリットは、弁護士会や税理士会に所属している専門家に、無料で相談できる点にあります。ただし、時間は30分~1時間程度と限られているため、相談したいことが決まっている人、都合がつけられやすい人におすすめの相談先です。

法テラス

法テラス公式ホームページ
画像引用:法テラス 公式ホームページ

→相続トラブル、法律問題全般

法テラスでは相続トラブルなど法律問題に関する相談をすることができます。正式名称を「日本司法支援センター」といい、公的機関です。ここでは例えば成年後見制度など、法律問題全般の相談ができます。

法テラスに相談する場合は、法的トラブルの電話窓口に電話をする方法と、全国各地にある事務所に訪問する方法があります。そのほか、メールでも相談ができます。

法テラスを利用するメリットは、無料で法律相談をすることができる点にあります。ただし、複雑な事情に深く突っ込んで専門的なアドバイスをもらったり、手続きをしてもらったりするには有料で弁護士や司法書士に依頼する必要があります。

相続手続きはどの専門家へ依頼すればいい?

よく相続では、専門家がタッグを組んでみんなで手続きをするので安心という広告を見ます。安心かもしれませんが、専門家が何人も関ると費用がかさみます。

さらに、資格を持っていない業者などが専門家を紹介するなどして、中間マージンを取る場合もあるため、費用がさらに膨れ上がります。

税理士

相続というと相続税、相続税というと税理士という感じで思い浮かべる方もいると思います。そして、実際に税理士しかできないことは相続税の申告です。

ただし、相続税の申告は相続が発生した中でも4%程度の人しか関係ないと言われています。つまり、相続税を支払う必要も申告も必要ないのです。

相続したから相続税がかかるというものではありません。最低でも3,600万円超の相続財産がないと相続税を支払う必要はありませんので、覚えておいてください。

弁護士

弁護士については、調停や審判などの裁判所での手続きになった際は、弁護士しか正式な代理人となることができません。そのため、相続人同士モメてしまっている場合は弁護士を検討することになります。

ただし、実際に裁判で相続人同士が争っている場合ですが、原則的に法定相続分という法律で決められた相続割合になることがほとんどです。

また、一般的に費用が高いとされているので、費用を抑えたいという人は他の選択をしたほうがよいでしょう。

司法書士

司法書士については、不動産の名義変更(相続登記)ができます。相続が発生した中でも約50%のケースで不動産を相続します。

それを考えると、この不動産の名義変更(相続登記)ができますので不動産を持っているという人は、いずれ司法書士に依頼することになることになります。

そうであれば、最初から司法書士にご依頼されるのが何人も専門家に報酬を支払う必要や連絡をとる必要もなく、まとめて依頼することができます。

相続税の申告が必要ない、とくに相続人同士で争っていないという場合は司法書士がすべての手続きができるので相談する方(相続人)の負担が少なく済みます。

信託銀行

信託銀行は専門家に任せるよりもかなり費用がかかります。まず、銀行として手数料を取ることが大事なのでその部分だけでも大きな出費です。

信託銀行というネームバリューだけで安心感があると思いますが、業務を銀行内仕分けするので、個別に費用が発生するのです。実際には書類の取得は相続人に動いてもらうことが多いようです。

相続人が持ってきた資料を元に財産目録を作成しますが、それ以降は司法書士、税理士に別途依頼が必要で別途費用もかかります。

相続の相談についてのまとめ

少子高齢化を迎え、相続をビジネスチャンスと捉える業者が増えてきています。そこで気を付けておきたいのが、相続業務の資格を持たない「相続コンサルタント」「相続プランナー」と称する事業者の存在です。

良心的に相続サポートを提供しているならいいですが、高額なコンサルタント報酬を請求したり、依頼後は提携する専門家に仕事を流すだけの法外な料金を請求する業者がいることも事実です。

相続サポートに関わる会社がすべて悪質であるとは言いませんが、相続の公的手続きは前述のように弁護士などの専門家しか対応でないものが多いのが事実です。相談相手は費用だけでなく慎重に検討する必要があります。

ご不明な方は「解体無料見積ガイド」へ。