相続時に登記は忘れずに!その時にかかる「登録免許税」って何?

物件を購入したり、相続によって自ら所有することになった場合、登記は何のためにするのでしょうか?その根拠は、第三者に対して「この不動産は自分の所有物である」と、公的に証拠を残すためです。

不動産登記は、その物件を管轄する法務局に対し、登記申請書添付書類を書面で出すか、インターネット上で申請を行います。登記申請の内容を法務局がチェックし、問題がなければ登記簿(現在は登記情報という)に申請した内容が記載されて終了します。

今回はその登記方法について詳しくみていきましょう。

税金を納めることは理解できるが…。登録免許税はどのくらいかかるの?

登録免許税の計算方法は相続登記の場合固定資産税評価額の0.4%です。固定資産税評価額は、市区町村役場の資産税課に置かれてある台帳の写しを請求、もしくは所有者に毎年送付される「固定資産税の納税通知書」の記載を確認し、評価額と書いてある箇所の金額を見れば分かります。

なお、通常の不動産売買による土地所有権が固定資産税評価額の1.5%であることを考慮すると、かなり相続登記の登録免許税は割安に設定されていることがわかります。

登録免許税についてのポイント

①相続登記➡固定資産税評価額の0.4%
②売買による土地の所有権移転➡固定資産税評価額の1.5%
③生前贈与➡固定資産税評価額の2.0%

登記の際に登録免許税を納めなければ法務局は処理をしてくれませんので、申請と同時に支払うことが必要です。登録免許税はこのような事務手続きに対する手数料と、権利の保持をしてもらうことに対する対価と考えればよいでしょう。

もしこれが相続ではなく生前贈与になると「固定資産税評価額の2.0%」ですので、非常に割高になります。相続税対策として生前贈与を考える人も多いですが、こういったコストを考慮に入れたうえで判断し、相続か贈与かを考えていきましょう。

税金の仕組みは分かった!では、いつの時点の評価額を使えばよいの?


では、登録免許税を計算する上で計算の基礎となる固定資産税評価額はいつの時点を基準に使用すればよいのでしょうか?

たとえば、平成28年4月~平成29年3月までに相続登記を申請する場合は「平成28年度評価額」を使用します。固定資産税評価は、毎年1月1日時点の価格が4月1日より各市区町村役場で反映されることになります。前年度のものは金額が差が出ることもあるので、間違えないようにしましょう。

計算方法はどのようになるのか?

登録免許税の計算は、具体的には下記のようになります。

★固定資産税評価額123万4,567円だった場合

1.千円以下の単位を切り捨てます。→123万4,000円
2.次に、0.4%を掛けます。→123万円÷100×0.4=4,936円

このように算出された税額について、最終的に百円以下を切り捨てます。つまり、実際に収める登録免許税は4,900円になります。

一戸建ての土地や建物はこの方法で問題ありませんが、マンションの場合はもう少し計算が複雑になります。マンションは固定資産税評価額の記載が専有部分(各部屋を指す)と敷地権に分かれているからです。敷地権とは各部屋の住人が所有する(マンションの建っている)土地の共有部分のことです。

各部屋の登記簿(全部事項証明書)を見ると、敷地権の持分割合が載っていますが、敷地全体の評価額に、この持分割合を掛けたものがその部屋に対応する土地の権利の評価額ということになります。具体的にはこのような計算になります。

・専有部分の固定資産税評価額⇨578万3,137円
・敷地権の固定資産税評価額⇨858万56,138円敷地権の割合は7,812/387,144となります。

8585万6,138円÷38万7,144×7,812=1,732,451円(この部屋に対応する敷地の評価額)
578万3,137円(専有部分)+173万2,451円(敷地権)=751万5,588円(部屋と敷地の評価額)
この金額から1,000円以下を切り捨てて計算の基礎とします。

➡751万5,000円÷100×0.4%=3万60円
そして、百円以下を切り捨てて、登録免許税は3万円になります。

なお、被相続人(亡くなった人)が不動産全体ではなく共有持分で保有していた場合は、その持分の割合に固定資産税評価額を掛けてから計算しますので注意しましょう。

具体的な支払い方法は?公衆用道路も対象範囲!!

登録免許税の支払いは、収入印紙を買って、登記申請書の最後に白紙などをつけて貼る方法で納付する、オンライン申請の場合は指定の形式の用紙に貼る、インターネットバンキングで電子納付するなどの方法があります。

司法書士などの専門家は繰り返し登記申請を行うため電子納付することもありますが、一般の人が行う場合は、法務局の印紙売り場もしくは郵便局で収入印紙を買って貼るのが一番簡単な方法でしょう。

不動産の価額とは?

登録免許税計算のための課税標準となる「不動産の価額」は、固定資産評価証明書上の評価額になります。

課税標準額という欄がありますが、これは「評価額(価格)」に固定資産税等を計算するための軽減税率などが掛けられた金額です。

毎年5月頃に市町村役場から送付されてくる固定資産税納税通知書にも「評価額(価格)」は記載されており、登録免許税額の概算を計算することが出来ます。

しかし、登記実務上は固定資産評価証明書の「評価額」を単純に合計するだけではいけない例外も多くあります。

持分

被相続人が不動産全体ではなく、3分の1などの持分を所有していた場合、相続登記の課税標準額は、不動産価額の合計額に持分を掛けた金額になります。

(不動産の価額の合計額 × 持分)
【下3桁切り捨て】×4/1000=登録免許税【下2桁切り捨て】
※下3桁は、持分を掛けてから切り捨てます。

マンションの場合

マンションなどの区分建物の敷地権となっている土地については、建物の登記事項証明書に「敷地権割合」という項目がありますが、これは土地の持分のことですので、土地の評価額に敷地権割合の数字を掛けます。

公衆用道路の場合

固定資産評価証明書上の評価地目が「公衆用道路」となっている場合、評価証明書には評価額が記載されていないか「0円」と表示されています。

これは、評価地目が公衆用道路である土地については、固定資産税等が課税されないため、そもそも市町村による評価がされていないからです。

しかし、登録免許税としては課税対象であり、その計算方法は通達により「隣接地の評価額の100分の30」とすると定められています。

例えば、道路と隣接する自宅敷地も一緒に、相続登記する場合であれば、その本体土地の「平方メートル単価」を「公衆用道路の地積」に掛けて、さらに30/100を掛けたものが「不動産の価額」となります。

収入印紙で納付

登録免許税は、登記申請書に収入印紙を貼って納付する方法が一般的です。

登録免許税の計算を間違えて登記申請すると、登記官から補正命令が出て、不足の場合は追加納付、多すぎた場合はいったん登記申請を取り下げて正しく申請しなおすか、または過誤納金還付の手続きを取ることになります。

この方法は、納付しすぎた金額を後日、国税局から登記申請人の指定口座に振込してもらえるものですが、返金されるまでには1ヶ月以上時間がかかる場合もありますので、ご注意下さい。

まとめ

登録免許税の計算方法はご理解頂けたでしょうか?

相続をしても、相続登記しない方は意外にも多いのが実情です。相続登記をしなかったことで、後々トラブルになることも多いので、相続をした場合は、登記を行うことを是非、検討してみて下さい!

ご不明な点は「あんしん解体業者認定協会」へ