この記事では、東京都大田区で実際に行われた解体工事の見積り例をご紹介します。
実際の見積書をもとに、家屋の取り壊しにはどんな費用がかかるのかチェックしてみましょう。また、大田区の解体費用相場や、その他の事例もご紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
東京都大田区での解体工事の見積り結果
ご紹介するのは、大田区で木造2階建て家屋を撤去した際の見積書です。
建物の種類 | 木造住宅 |
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坪数 | 32坪 |
構造 | 2階建て |
解体工事費総額 | 235万円 |
実際の見積書
名称 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
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1.仮設工事 | ||||
単管パイプ養生シート | 200 | ㎡ | 800 | 160,000 |
重機回送 | 2 | 回 | 20,000 | 40,000 |
2.解体工事 | ||||
木造建物解体 発生材処分共 |
32 | 坪 | 28,000 | 896,000 |
重機搬入のため手壊し 割増 | 1 | 式 | 250,000 | |
鉄骨造解体撤去 発生材処分共 |
4.5 | 坪 | 45,000 | 202,500 |
外壁石綿含有物解体処分 (LV3)2重梱包 |
54 | ㎡ | 2,500 | 135,000 |
3.安全対策 | ||||
誘導員配置(ガードマン) | 1 | 式 | 500,000 | |
出精値引き | 1 | 式 | -7,574 | |
合計 | 2,175,926 | |||
消費税 | 174,074 | |||
御見積金額 | 2,350,000 |
紙の見積書をわかりやすく書き出したものです。
解体工事の見積書には決まった書式がないため、解体業者さんによって見積書の書き方は異なります。上の見積書は比較的スッキリとした書式で作成されています。業者さんによっては、建物の屋根、本体、基礎とそれぞれ分けて見積る場合や、解体費と廃材の処分費を別に見積る場合もあります。
また、解体工事の費用について調べると、よく坪単価×坪数で工事金額が予想されていますが、坪単価×坪数で予想できる金額は、建物本体のみの解体費用の目安です。
上の見積書では「2.解体工事」の中の「木造建物解体」と「鉄骨造解体撤去」にかかる費用が、坪単価×坪数で予想できる金額にあたります。解体工事にはその他にもたくさんの費用がかかります。
坪単価以外にかかる費用
解体工事では、建物本体の解体費以外にも、次のような費用がかかります。
- 仮設工事費
- 付帯工事費
- 諸経費
工事中に発生した騒音や埃を周囲に漏らさないよう、解体工事の前には現場をシートで囲い、養生します。見積書の「単管パイプ養生シート」が仮設工事費にあたります。
建物本体以外に解体・撤去するものがある場合にかかる費用です。例えば、門扉や門扉から玄関までの敷石、ブロック塀、お庭の草木や物置などを撤去する費用が付帯工事費にあたります。なお、今回の事例では付帯工事は発生していません。
解体工事をする際に必要な届出書類の作成や、現場で重機を使用するためにかかる費用、交通誘導員を配置する必要がある場合の費用などは、諸経費に分類されます。見積書の「重機回送」「誘導員配置」にかかる費用が諸経費にあたります。
また、解体工事は可能な限り重機を使って解体します。人の手による解体(手壊し解体)では手間と期間がかかり、費用が割高になってしまうからです。
事例のお家にはお庭など、重機が入るスペースがなかったため、建物をあらかた手作業で壊してから工事されました。見積書では、手壊し解体の割増料金が25万円となっていますね。
工事中の写真です。あらかた解体された敷地にトラックが入っています。
さらに、お家の前の道は狭く、一方通行の車道でもあったため、工事期間中は道や近隣の方々、作業員の安全のためにも、道路上の2ヵ所で交通誘導が必要になり、費用がなんと50万円もかかっています。
屋内の解体が始まっているため、交通誘導員さんが配置されています。
以上のように、撤去費用は建物本体の工事費以外にもたくさんの費用がかかり、お家の条件や周辺環境の条件により、数十万円単位で高くなる場合もあります。
アスベスト含有建材は慎重に解体し、他の建材と分け、特別な処理をする必要があるため、解体・処理費用が割高になります。
大田区の解体費用相場
大田区の坪単価相場は、3.4万円ほど(木造30坪の場合)です。
坪単価相場 | 3.4万円 |
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以下の記事では、建物の構造や坪数ごとに坪単価の相場を記載してありますので、ぜひ参考になさってください。
仕上がりにこだわるため、相見積りに
上の見積書を依頼されたお客様は、取り壊し工事ははじめてではなく、事例のお家で2件目だったそうです。1件目ではハウスメーカーさんに頼りきりで、解体工事の仕上がりに満足できなかったため、2件目の解体では思い切って当協会にお問い合わせくださいました。
当協会からは2社の業者さんをご紹介し、お客様は現地調査にも立ち会われ、業者さんを吟味されました。どちらも工程などを丁寧に伝えてくれ、信頼できると感じられたため、最後は工事金額の安さが決め手となり、解体業者さんを決定されました。
工事完了後の写真です。
解体工事の見積りは、必ず複数の解体業者さんから取り、工事内容や金額を見比べましょう。まったく同じ建物でも、業者さんによって見積金額が大きく異なる場合もありますし、工事内容に漏れがないか確認でき、追加費用の発生も避けられます。
また、それぞれの業者さんと話して雰囲気を比べるのも、信頼できる業者さんを選ぶための重要なポイントです。近隣への配慮のため、また、仕上がりを重視するため、工事金額が高くても雰囲気のいい業者さんを選ばれるお客様も多くいらっしゃいます。
大田区のその他の解体事例
上でご紹介した事例の他にも、大田区での解体事例をいくつかご紹介します。
不燃化特区内の解体工事で助成金も申請
大田区内の「不燃化特区」に指定された地域で行われた解体工事の事例です。
小さなお家ですが、狭小地での工事だったため、手壊し工事の費用と誘導員さんを配置する費用がかかっています。ただ、不燃化特区内だったため助成金を申請できました。
構造 | 木造2階建て |
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坪数 | 13.5坪 |
費用総額 | 108万円 |
手壊しと小型重機の併用で費用を抑えて解体
周辺の道幅が狭く、手壊しでないと解体できないと不動産屋さんに言われていた事例です。
お客様が見積り時に解体業者さんに相談されたところ、重機が入れるところまで手壊しした後、小型重機での解体となり、費用が格段に安く抑えられました。
構造 | 木造2階建て |
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坪数 | 17坪 |
費用総額 | 90万円 |
住宅密集地の軽量鉄骨造家屋の取り壊し
こちらも住宅密集地に建つ家屋取り壊しの事例です。
軽量鉄骨造は木造と比べて構造がしっかりしているため、解体時には振動や騒音が大きくなります。鉄骨造解体の実績が豊富な業者さんにより解体されました。
構造 | 軽量鉄骨造2階建て |
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坪数 | 27.5坪 |
費用総額 | 173万6,640円 |
まとめ
解体工事にかかる費用は、解体業者さんに見積りを出してもらうまで正確にはわかりません。ただ、坪単価で建物本体の解体費はだいたい予想できるので、第1段階として知っておくと安心ですね。
解体工事の見積りは無料なので、必ず相見積もりを取って業者さんを吟味しましょう。
また、私たちあんしん解体業者認定協会では、全国の優良解体業者さんとお客様をお繋ぎするサービス、解体無料見積ガイドを運営しております。
解体工事についての疑問や不安などがありましたらぜひ、お気軽にお問い合わせください。専任スタッフが親身になって対応いたします。