お家を新築する時、建物の周り=外構(エクステリア)にまで気が回っているでしょうか?
建物本体ではない外構はついつい考えるのを後回しにしてしまいがちですが、玄関やお庭は毎日利用するポイントですし、外構の出来映えはお家そのものにも直接影響するのです。
せっかくお家を建てるなら、早めに細部まで外構計画を考えておき、よい外構で失敗のないお家づくりをしておきたいところです。
外構計画が遅れてしまうことのデメリット
大抵の場合、お家の設計と平行して進められることが多い外構の設計。
外構は建物の雰囲気を支える役割や便利なお庭としての役割だけでなく、お家を守るための排水や防犯などでも効果を見せるポイント。
外構計画が遅れておざなりな外構が生まれると、どんなデメリットが起きてしまうのでしょうか。
ひとつづつ確認してみましょう。
01.お家との予算がアンバランスに
外構をつくる時、多くの方はお家づくり全体の予算から外構の予算を捻出するはず。
外構計画を詰めず建物の具体的な予算ばかりが先んじてしまうと、外構にまわす予算がなくなってしまうおそれがあります。
外構工事の予算を削ることになると、外構そのもののグレードや工事内容の質につながってしまいます。
もちろん「外構のグレードに掛けるお金をカットし、その分お家に予算を回したい」という考えも間違いではありませんし、その逆に「お家の予算を外構に回す」ということもできます。
しかしいずれにせよ、あらかじめ建物本体と外構の予算を把握し、バランスを取ることが重要と言えるでしょう。
02.練り込み不足やグレードの低下で影響が
特にこだわりなく、あるいはこだわる暇もなく外構計画を進めてしまった場合、思わぬ箇所で使い勝手が悪くなってしまうことが多くみられます。
- 駐車場やカーポートが狭く出入庫しづらい
- コンセントや散水栓が足りない、使いたい場所にない
- 夜にかなり暗くなり、防犯上の不安が増大する
- 玄関を開くとお家の中が道路から丸見えになってしまう
- メンテナンスの手間をかけたくないのに、
芝生や植生を採用しているため、草木のお世話が必要となる - 玄関前のコンクリートが雨の日に滑りやすくなっている
工事や設計に不備があった場合、ガス管や排水管などを埋め込んだ箇所が雨水などで劣化し、強い力によりガス管・排水管が破裂して事故になってしまう恐れもあります。
また、上述の予算にも繋がる話ですが、お家の規模や雰囲気にそぐわない外構で進めてしまうとお家と外構の雰囲気がミスマッチになってしまうことも。
あらかじめお家と外構の計画を一緒に見ておきたいポイントです。
04.水捌けの悪化とシロアリ・カビの被害
外構工事は、基礎工事と並んでお家の排水機能に直結する工事となります。
外構の水捌けが悪いと雨が降った時に水たまりができやすくなる他、お家の建材にも湿気が貯まり、カビの発生やシロアリの被害を招くこともあります。
外構の設計を早いうちから設計士さんに相談し、早いうちから建物本体と連動した機能性を確保しておきましょう。
外構工事を早めに計画しておくことの重要性がわかったでしょうか。
次は外構工事を実際に依頼する際のポイントに移りましょう。
外構工事はどこに依頼すればいい?
外構工事の予算や方針がまとまったら、次に行うステップは外構工事の業者選びとなります。
ハウスメーカーや工務店を利用してお家を建てる時、大抵の場合は同時に外構工事の案内を受けます。
この場合に提案される外構業者は、メーカー・工務店から委託された下請けの業者となることがほとんどです。
しかし、外構工事はここで紹介された業者でなく、別途で外構専門業者に工事を依頼する“分離発注”も可能な場合が多いのです。
メーカーからの業者を選んだ場合と分離発注の場合の大まかな違いは以下の通りとなります。
メーカーからの業者を選んだ場合
メリット
- 一括で依頼できるため、手続きやアフターサービスに安心感がある
- 手早く終わり、入居時には外構が完成している
- 住宅ローンに工事費用を含めることができる
- デザインのミスマッチが起こりづらい
デメリット
- 仲介手数料がかかっていることが多い。
相場と同程度の価格であった場合、安価で信頼しづらい業者を利用しているおそれも - 業者の当たり外れの振れ幅が大きい
- デザインの幅が少なめ
分離発注の場合
メリット
- 仲介手数料がかからない
- 幅広い設計やデザインを提案してもらえる
- しっかりと業者を選べば技術力が高い
デメリット
- 自分で別途手続きを行う手間が要る。
業者の選別には相見積りなどが必要で、インターネットからもやや探しづらい - お家の完成後の工事となる
- ちゃんと意思疎通ができていないとデザインがミスマッチになることがある
総じて、
「手間をそこまでかけずに外構をつくり、すぐにお家を完成させたい」という方にはメーカーの業者、
「手間をかけてもいいから、こだわってより良い外構をつくりたい」という方には外構専門業者への分離発注が向いていると考えてよいでしょう。
また、メーカーの業者には最低限すぐ入居して利用できる程度の外構工事を任せ、完成後に大規模な外構工事を分離発注でおまかせする、というケースを取る方も少なくないようです。
ただし、どちらの場合にせよ
「お家の設計や自分のライフスタイル、周囲の環境に合った設計を依頼する」
「複数の外構業者からデザイン案や見積りをとり、よい業者を見極める」
といった手間はかけておいた方がベターでしょう。
完成後のメンテナンス性も見据えた外構工事をしよう
外壁や庭など、時間の経過と共に構造物は劣化していくものです。外構工事の計画を考える際は、長期的な視野に立って外観と機能性を兼ね備えたものにする必要があります。
例えば地面は当然ながら雨や風、太陽などにさらされています。使う材質に注目すると、砂利は消耗品であるため数が減ったり砕けていったり入り込んだ土から雑草が生えてきたりもします。芝生を採用していた場合、雑草や虫などの問題はさらに強く現れます。
経年劣化に強く掃除がしやすいコンクリートも、数十年が経過すればひび割れが増え、埋めた方がよいような状況になることがあります。
- 砂利の下に防草シートを敷いておき、完成後は飛び散り防止のスプレーを塗布しておく
- 砂利を定期的に追加し、砂利が減るのを抑える
- 夏の芝生の刈り込みや、春先の雑草取りを毎年家族のイベントにする
といったように、外構工事は住み始めた後のメンテナンスのことまで考えておくと間違いが起きづらいです。
まとめ
外構工事とは、お家をより便利な居場所にするため、またお家を自然現象や犯罪などから守るための“外構”をつくり出すことです。
規模の大小はあれど、今では外構工事は必ずやらなければならないもの。事前の外構計画の練り込みの差で、外構の出来上がりとそこで暮らす満足度は変動します。
家族の構成やライフスタイル、お家の立地条件と間取りや車の使い方などを考慮し、使いやすく後悔のない外構をつくれるようにご家族や外構業者とと意見を交わしてみてください。
コメントを残す